先日(5月30日)黄金崎において、西伊豆ダイバーズ協議会主催の緊急対処訓練が行われました。
冒頭の写真はその時の様子です。
担架で運ばれているのは事故者役のスタッフで、本物の事故者ではありません。
さてその際、海上保安庁の下田海上保安部からも人が来てくれました。
そして訓練の前に、統計情報を示しながらダイビング事故の傾向について教えてくださいました。
その内容は我々ガイドダイバーだけでなく、一般のダイバーの方にとっても有益な情報だと思ったので、下田海上保安部交通課の渡辺様よりデータを提供していただき、このブログに載せる運びとなりました。
渡辺様、快くデータをお送りいただきありがとうございます。
この場を借りて、御礼申し上げます。
管区別ダイビング事故者数
海上保安庁は、全国を11の管区に分けています。
伊豆半島は第三管区です。
下のグラフは管区別の事故者数です。
令和2年と3年の2年間の事故の合計ですね。
この中で41%と最も事故者数の多いのが第三管区です。
ついで沖縄が含まれる第十一管区が多い結果となっています。
第三管区内部署別ダイビング事故者数
下は第三管区海上保安本部のHPからお借りした管区内の地図です。
下のグラフは第三管区内の6つの部署のうち、伊豆半島を管轄する下田で事故が突出して多いことを示しています。
これはやはり、多くのダイバー人口を抱える伊豆半島があるからだと思われます。
潜水歴別事故者数
では全国のダイビング事故者を、ダイバーになってからどのくらい時間が経っているかで見てみるとどうなるでしょうか。
下の図を見ると、意外にも潜水歴はあまり事故に関係が無いように見えます。
1年未満も、1年以上10年未満も、10年以上も全体の比率としてほぼ同程度です。
つまり初心者だろうがベテランだろうが、事故を起こす可能性はあるということですね。
初心者の方が注意しなければならないのはもちろん、ベテランだからといって油断は禁物です。
では、潜水本数別ではどうでしょうか。
これも経験本数で特に事故が多いとか少ない、といった特徴は見られません。
どんなダイバーも等しく注意する必要があります。
いや、むしろ100本以上潜っているベテランダイバーに事故が多い傾向がある、とも言えるかもしれません。
常に気を引き締めて潜りたいですね。
年齢別事故者数
では、年齢別ではどうでしょうか。
50歳代と60歳代で全体の半数以上を占めています。
やはり、若い世代よりシニア世代の方が事故率が高いことがわかります。
これは水中で体に負荷がかかり、心疾患や脳疾患が引き起こされてダイビング中に死亡する事例が多いことが関係していると思われます。
どの世代もですが、特にシニア世代は若い時のように体が動かないことや、さまざまな健康上のリスクが高くなっていることを自覚して潜るべきですね。
疲労や寝不足、二日酔いなど若い時なら何とかなったことも、年齢を重ねると思った以上に自分の体にダメージを与えます。
それを、若い時と同じ意識で行動した結果、上のグラフのような結果を引き起こしている、と推測されます。
ダイビング前は体調を整え、体の調子が万全で無い時は、ダイビングをやめる勇気を持ちたいものですね。
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