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「魚をもっと知りたい人のための魚類学講座」【2015年1月25日】

今週末はダイビングをお休みして、神奈川県立生命の星・地球博物館で行われた「魚をもっと知りたい人のための魚類学講座」を受けてきました。
週末はダイビングの仕事が忙しいタイミングですが、寒い時期だし、きっとダイビングのご予約もほとんど入らないだろうと思って申し込みました。ところが講座を申し込んだあとに全部で7名ものお客様からご予約をいただきました。今週末、ご予約を受けることの出来なかった皆様、この場をお借りしてお詫び申し上げます。
さて、そんなわけで今回の講習会、実りの多いことが期待されます。どんな内容かと言いますと「標本作製や撮影、実体顕微鏡を使った観察を通じて魚の形態についての理解を深め、魚の名前を本格的に調べる際に役立つ知識を身につけます」とのこと。ふむふむ。なんだか分かったような、分からないような。
ま、とりあえず行ってみましょう。(*^^*)
IMG_4045博物館講座の定員は10名でしたが、ふたりキャンセルが出たとかで参加者は8名でした。
下の写真は講座が行われた室内の様子です。各人にひとつずつ実態顕微鏡や必要な道具類が用意されていました。
IMG_4048教室これが用意してあったもの。ものの直径などを測る道具・ノギスや筆などいったい何に使うんでしょう。
それに電卓?!何か難しい計算でもするのでしょうか・・・?
IMG_4049道具講師はこの博物館の学芸員、瀬能宏先生です。そう、あの瀬能先生です。ダイバーなら図鑑などでその名前を目にした方も多いのではないでしょうか。
ここでちょっと先生のことを紹介しておきましょう。
先生は博物館の中で魚専門の学芸員として活動されています。またその仕事の一環として「魚類写真資料データベース」を構築されています。魚の色彩は標本になると消えてしまうことがほとんどなので、生きているときの色彩を写真として残そうという趣旨で作られています。その為ダイバーが撮った写真を広く集めてもおられます。私も何度か先生に名前の分からない魚の写真をメールに添付して問い合わせたことがあり、その度に先生は丁寧なお答えを返して下さいました。その時送った写真はもちろんデータベースに登録して頂きました。
でも実際にお会いするのは今回が初めてです。実は今回の講座は、先生に是非一度お会いしたい、というミーハーな動機があって参加したことも事実です。

いよいよ講座が始まりました。この講座の目標は実際の魚を使って標本を作り、その標本を元に図鑑を作ってみる、というものです。下の写真は今回の講座で使った資料ですが、右端に写っているのがオリジナル図鑑・完成形の見本です。
IMG_4081資料先生から講座の概要についてレクチャーがあったあと、まず全員に1匹ずつ魚が配られました。この講座の為にあらかじめ釣っておいた魚で全員が同じ種類です。私はひと目でこの魚がなんなのか分かってしまったのですが、今回は魚の形態を調べて
そこから図鑑を元にどの魚か同定しよう、という趣旨なので分かんなかったことにしておきます。f ^ ^ *)
渡された魚をきれいに洗ったり、浮き袋の中の余分なガスを注射器を使って抜いたりといった作業を終えたあと、発泡スチロールの上に各ヒレがよく分かるようにきれいに広げてピンで押さえていきます。その作業をまずは先生が実演してくれます。
IMG_4050瀬能先生標本作るここで使うのは主にピンセットと、昆虫標本などを作る時と同じ針ですね。
先生の実演のあと、今度は自分が渡された魚で同様に標本を作製していきます。あとでヒレの棘(きょく)を数えるので分かりやすく美しく形を整えていきます。
はい、完成しました。これが私の作った標本です。
IMG_4053自分の標本背ビレなどは何もしないと畳んだ状態になってしまい、棘が数えられません。なのでうまく広げて押さえます。そのあとにピンを抜いてもその形が維持されるよう、ホルマリンを使って固着します。
IMG_4054ホルマリンヒレが固定された所で写真撮影です。生鮮時の色彩を記録する為に、各人の標本を順番に撮影していきます。専門的な図鑑を作る時と全く同じ方法です。
IMG_4055撮影これが私の標本を撮影したもの。白背景と黒背景、それぞれ2枚ずつあります。
IMG_4065標本写真次に標本からデータを取る為の講義がありました。渡された資料の中に、そのデータを書き込む為の表もありました。
項目を見ると「体長」や「頭長」といった分かりやすいものから「背鰭鰭条数(はいききじょうすう)」「側線有孔鱗数(そくせんゆうこうりんすう)」はては「背鰭棘条部中央下側線上方横列鱗数(はいききょくじょうぶちゅうおうかそくせんじょうほうおうれつりんすう)」といったほとんど漢文に近いものまでずらりと並んでいます。
それぞれについて読み方や意味する所、計り方などを教わっていざ計測。表に書き込んでいきます。
ここでノギスが必要だったんですね。また、各数値は体長に対して何パーセントかを書き込む欄もあり、電卓が活躍しました。
それが終わったらいよいよ魚の名前の同定へ。瀬能先生も作成に携わった「日本産魚類検索」という本の抜粋資料を見ながら、その特徴をあみだくじのように順番にたどっていくと・・・。
100種類近くいる「スズキ目ハタ科」の中から、みごと「サクラダイ」にたどり着くことが出来ました。
下の写真は、今回の講座で私が作った成果です。
IMG_4080今日の成果上の写真、左側は計測した値を書き込んだ表。右側は自分で撮った標本写真と、実際に計った数値や、どのような特徴を元にサクラダイと同定したかの理由が記してある自分オリジナルの図鑑です。
いや〜久しぶりに手書きで死ぬほどいっぱい文字を書きました。
「鰭」とか「鱗」という文字は何度も何度も書いたので、一生忘れないと思います。f ^ ^ *)
この提出物ふたつが完成して、無事講座の目標を達成して終了です。
講座が終わったあと、博物館の裏側、一般の人が入ることの出来ないバックヤードを見せて頂くことが出来ました。
IMG_4075標本だな上はホルマリンに入った標本が収められた棚です。ある一定の規則に従い、整然と並んでいました。
IMG_4077カエルアンコウの標本 IMG_4071標本下の写真の標本は中でも一番重要なんです、と案内してくれたボランティアの方がおっしゃっていました。赤いテープで印がついているものは「ホロタイプ」といって、ある生物の種を決定するに辺り参考とされた元となる標本のことだそうです。
IMG_4072ホロタイプいや〜充実の2日間でした。土日をつぶして参加しただけの甲斐がありました。(*^^*)
この講座、毎年1月と2月に開催されているそうです。興味のある方はぜひ参加してみてはいかがでしょうか。

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