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沖縄本島:USSエモンズ【2022年11月29日】

11月28日から12月2日の日程で、沖縄本島に行ってきました。
新しいツアー先開拓のための下見です。

私は以前、沖縄の離島・久米島で働いていたことがあります。
その後、雲見でショップを開いてからは、久米島を始め、宮古島や石垣島といった離島へお客様と一緒に何度も潜りに行きました。
が、沖縄本島では潜ったことがありませんでした。

旅行中は、以前一緒に働いたことのある後輩ガイドの小島純さんに現地での案内(海も陸も!)をお願いしました。小島さんは本島でダイビングショップ(潜水屋)を経営されています。
初日は晴れて穏やかな海況だったので、沈船ポイントの「USSエモンズ」に連れて行ってもらいました。

今回の旅で潜ったダイビングサイト3カ所

「エモンズ」は沖縄北部の本部半島に接する古宇利島(こうりじま)沖に沈む沈船です。
古宇利港からダイビングボートで15分ほどのところにあります。

このポイントは時に強く流れることがあり、水深は最大で40mを超え、平均でも20m程度と、いわゆる上級者ポイントと言われるところです。

USSエモンズは先の戦争の沖縄戦において活躍したアメリカ海軍に所属する駆逐艦でした。
その後、機雷を撤去するための船・掃海駆逐艦として改装され、沖縄に来ます。
そこで日本軍の特攻攻撃を受けて大破。沈みはしませんでしたが、航行能力を失います。
日本軍の手に渡ることを恐れたアメリカ軍は、エモンズをわざと沈めてしまいます。

画像提供:ww2diver、Pacific War Wrecker

その後、海底で静かに時を過ごしていましたが。
2000年に、海底から時々浮いてくる油があることから海上保安部が調査をし、沈没船が発見されました。
またその後の調査で、沈んでいる船がアメリカ海軍の駆逐艦USS EMMONSと判明します。
現在はレクリエーショナルダイバーが潜ることのできるダイビングサイトとして開放されています。

1ダイブ目:沖縄本島 USSエモンズ 船尾 → 中央
2ダイブ目:沖縄本島 USSエモンズ 中央 → 船首
天気 快晴
風向 南より
流れ ほとんどなし
波・うねり なし
最高気温 27℃
水温 25℃
透視度 → :20m
透明度 ↓ :20m

エモンズは全長が106mを越す大きな船です。
船首、船尾、そして船体中央の3カ所に潜降ロープが設置されています。
その日の潮の流れによってエントリーするロープ、エキジットするロープが決まります。

この日は幸いほとんど潮の流れはありませんでした。
1本目は船尾のロープから中央のロープに向かって泳ぐことに。

透明度は良好ですが、エントリー直後は船体が深すぎて見えません。
何もない青い海に吸い込まれるような感覚を覚えます。
ここでパニックになってしまうダイバーもいるとの事。
上級者ポイントと言われる所以ですね。

ロープに沿ってゆっくり深度を下げていくと、やがて大きな船の形が見えてきます。

これ、船のスクリューです。
他チームのダイバーと比べると、その巨大さがよくわかります。

魚雷のような形のものが、そのまま残されています。
が、これは機雷を撤去するための掃海具と呼ばれるものだそうです。

この戦闘で亡くなられたエモンズの乗組員60名の名前が刻まれたプレートです。

この他77名が負傷。
また日本軍の特攻機のパイロットの方も複数名が戦死されています。

水深30m付近から、我々の乗ってきた水面の船がうっすらと見えていました。
これでも透明度は決してよくはないのだそうです。

大きな船体が横倒しになっています。

透明度がいいのであまり深さを感じませんが、犠牲者のプレートがある辺りで水深36m。
船の周りを潜っていられる時間はだいたい10分程度です。
潜降と浮上の時間を合わせても、ボトムタイムは20分少々でした。

2本目は中央から船首へと向かうコースでした。

大きなクレーンのようなものが見えます。

これは対空機銃でしょうか。
特攻してくる日本軍の航空機に向けて銃弾を放ったのかもしれません。

今はその役割を終えて、静かに眠っています。

5inch主砲。

余談ですが、この主砲に座ってポーズをとるダイバー3人の写真をSNSに投稿したショップさんがあったそうです。
が、この艦の元乗組員で作るアメリカの団体から「戦死者への冒涜だ」と抗議が入り、店側は写真を削除した上で団体に謝罪したそうです。

ここは物見遊山で気軽に潜りにくる場所ではないのかもしれません。

船首付近に大きく空いた穴があります。
これはエモンズを沈める時、僚艦が開けた穴だそうです。

自然の風景や生き物を愛でる普段のダイビングとは一味違った、歴史に想いを馳せるダイビングとなりました。

この戦いで命を散らした両国の方達に想いを馳せ、その死を悼む。
本来なら忘れ去られがちな過去の戦争に想いを致すきっかけとなるだけでも、この沈船に潜る意味があるのかもしれません。

お昼は我部祖河(がぶそが)食堂で、中身汁そばとソーキそばをいただきました!


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