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「この世界の片隅に」見ました【2017年2月10日】

今さらですけど、映画「この世界の片隅に」を、昨日映画館で見てきました。
あと1日で上映が打ち切りになるというタイミング。ぎりぎりセーフでした。
見終わってからもう30時間近く経ちますが・・・。
未だに心がざわざわしています。こんな経験は久しぶりかも。
私の凡庸な感想など、この映画の前では無意味な気がします。この映画のホームページを見れば、著名人達の寄せたコメントがたくさん載っていますから。そのコメントを読んでいるだけで、また涙が出てきてしまったのは、ここだけの話です。
この映画の絵のタッチは優しくて、マンガっぽい。だけど風景は描き込まれていてリアル。
膨大な時間をかけて時代考証をした、という話は事前に知っていましたが、そうやって出来るだけあの時代を精密に再現することによって、確かにそこに生きていた人達を身近に感じる。どころか、自分がその場にいるような感覚を味わえる。
何気ない日常と、そこに否応なく割り込んでくる戦争。でもその日常こそが大切だし尊い、幸せだということがこの映画を観ると分かります。
割り込んでくる戦争に対して、懸命にその日常を守ろうとする主人公・すずさんの姿に共感しました。
・・・って書いていて、この映画を観ていない人にはこんなんじゃなんにも伝わらないよ!と歯がゆい思いをしています。
それにしても。
「空襲」という言葉を知っていても、その実情は何も知らないに等しいですよね。
この映画を観て、それが少し分かった気がします。
無辜の市民に対する機銃掃射。時間差で爆発する爆弾。街ひとつを丸まる焼き尽くす原爆。
そこにいるのは軍隊ではありません。武力を持たない、普通の人々です。
これは無差別大量殺戮以外の何ものでもないですね。しかし戦勝国・アメリカはそれを裁かれることもなく。
敗戦国日本が「東京裁判」でいわゆる戦犯と呼ばれる人達を産み出したのとは対照的です。
あんなにひどい目に遇わされていながら、日本とアメリカは戦後、手を携えて世界に類をみない同盟関係を築き上げます。
そしてその上に日本はたぐいまれな繁栄を築き上げた。
あんなひどいことをされたアメリカと、戦後すぐにつきあえたということも、戦後にお隣の国のように賠償だ補償だということもなかったということも、日本という国柄をよく表しているな。そんなことをとりとめもなく考え続けています。
未だに心がざわざわしているのは、この映画をしまう場所を、心の中に用意出来ずにいるからなのかも。
今までに私が自分の心の中に用意した引き出しでは、この映画を収めることが出来ないからなのかも。
まだ、しまい込むのはもったいなくて、もう少しこの映画を味わっていたいからなのかも。
そうか。無理して収納しなくちゃいけないワケはないか。じゃあ、まだしばらくの間、しまい込まずに身近に置いたまま、その余韻を楽しみたいと思います。
皆さんももし機会があれば、ぜひ映画館で鑑賞することをお勧めいたします。

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